RIGHTS AND CONSENT

公認AIと無断AIの違い|
キャラクターをAI化する
ときの許諾と開示

生成AIで「あの配信者っぽく話すAI」⁠を作ることは、技術的にはもう簡単です。だからこそ、公認されたAIと無断で作られたAIの差は、出力の品質ではなく、許諾と開示があるかどうかになりました。何を確認すればよいのかを整理します。

2026年9月8日AI Friend Studio運営約7分

CONTEXT

「本人っぽく話すAI」⁠は作れてしまう

配信のアーカイブ、切り抜き、SNSの投稿。公開された発言が十分にあれば、口調や語彙を模倣するAIを作ることに、特別な技術はもう必要ありません。実際に、本人の関与なく作られたキャラクターAIがサービスとして公開される例が出ています。

ここで起きる問題は3つあります。

  • 誤認:ファンが「本人が答えている」⁠と受け取る
  • 毀損:本人が言わないことを、本人の口調で言ってしまう
  • 収益の流出:本人の人格を素材に、無関係な第三者が課金する

3つとも、AIの出来がよいほど深刻になります。だから「よくできているか」⁠ではなく「許可されているか」⁠が判断軸になります。

RIGHTS

AI化に関わる権利は1つではない

「本人がいいと言った」⁠だけでは足りない場合があります。1人のキャラクターには、複数の主体の権利が重なっていることが多いためです。

対象関係しうる権利・契約許諾を出しうる主体
氏名・肖像・声肖像権、パブリシティ権本人
キャラクターデザイン・イラスト著作権イラストレーター、デザイン権利者
アバターの3Dモデル著作権、利用規約上の制限モデル制作者、配布元
活動名・ロゴ商標権事務所、権利者
活動そのものマネジメント契約、専属契約所属事務所、レーベル
過去の発言・配信著作権、プラットフォーム規約本人、共演者、配信元

個人勢であれば本人の判断で完結することもありますが、イラストを外部に依頼している時点で、少なくともデザインの権利者は別にいます。事務所所属であれば、本人の同意だけでは足りないのが通常です。

この記事は法的助言ではありません。実際の運用にあたっては、契約内容に応じて弁護士等の専門家に確認してください。

DISCLOSURE

許諾があっても、開示は別に必要

権利処理が済んでいても、ファンに対して「これはAIである」⁠と伝えていなければ、誤認は起きます。許諾と開示は別の論点です。

開示で最低限伝えたいのは次の4点です。

  1. 01

    返信するのはAIであること

    本人が直接返信しているのではない、⁠と最初に明示します。あとから気づかせる形にしない。

  2. 02

    誰が運営しているか

    問い合わせ先を含めて、責任の所在を示します。

  3. 03

    会話がどう扱われるか

    何を記憶し、どれくらい保存し、いつ消えるのかを伝えます。

  4. 04

    やめる方法

    ブロックすればいつでも止まる、⁠という当たり前のことを書いておきます。

これらは友だち追加直後の最初のメッセージと、利用規約・プライバシーポリシーの両方で伝えるのが確実です。会話の途中で本人だと誤認された場合に、あとから訂正するのは難しいためです。

CHECKLIST

公開前に確認する項目

  • 本人から、AI処理を含む利用の許諾を得ているか
  • 所属事務所・レーベルの承認が必要な契約になっていないか
  • イラスト・3Dモデルの権利者から、AI用途での利用許諾を得ているか
  • 許諾の範囲に、商用利用・AI処理・再委託・期間・地域が含まれているか
  • 権利者から停止・削除を求められたときの連絡経路が決まっているか
  • ファンに対してAIであることを明示しているか
  • 本人が言わない領域(政治、医療、恋愛、収入など)⁠を設定で除外しているか
  • 活動休止・卒業時にAIをどう扱うか決めてあるか

最後の項目は特に忘れられがちです。本人の活動が終わったあともAIが話し続ける状態は、ファンにとっても本人にとっても望ましくありません。停止条件は、始める前に決めておくべきものです。

OUR POSITION

AI Friend Studioでの扱い

AI Friend Studioは、本人または権利者の許可を得た公認AIを運用するための基盤です。誰でも好きな人物のAIを作れるサービスではありません。

REVIEW

公開前の確認

本人確認、所属確認、権利者の許諾資料の提出を求める場合があります。確認が済むまでアカウントは公開されません。

DISCLOSURE

AI表記を前提に

本人の直接返信と誤認させる表示は行いません。ファン向けの利用規約とプライバシーポリシーはAI Friend Studio運営が用意し、友だち追加時のお知らせもシステムから自動で送ります。

STOP

停止できる

権利者からの停止・削除要求に対応します。ファンはブロックすればいつでも送信を止められます。

詳細な条件はクリエイター向け利用規約に定めています。判断に迷う構成の場合は、公開前にお問い合わせください。

CONTACT

権利まわりを相談する

事務所所属、共同権利者がいる、キャラクターの権利が複数に分かれているなど、構成が複雑な場合はご相談ください。

お問い合わせ

FAQ

公認AIについてよくある質問

本人の許可があれば、それだけでAI化できますか?

本人の許可に加えて、イラストや3Dモデルの権利者、所属事務所の承認が必要になる場合があります。1人のキャラクターに複数の権利が重なっていることが多いためです。

ファンにAIだと伝える必要はありますか?

権利処理が済んでいても、本人が直接返信していると誤認される状態は避けるべきです。AI Friend Studioでは、あいさつメッセージと規約の両方でAIであることを明示する運用を前提にしています。

個人勢VTuberでも許諾は必要ですか?

本人の判断で完結する部分は多いですが、イラストを外部のイラストレーターに依頼している場合、そのデザインの利用については別途確認が必要です。

無断で自分のAIが作られていた場合はどうすればいいですか?

運営元と配信プラットフォームへの申し立てが基本になります。契約や具体的な対応については弁護士等の専門家に相談してください。

活動を休止したらAIはどうなりますか?

停止条件は開始前に決めておくべき項目です。AI Friend Studioでは、公開設定を停止すればAIからの送信は止まります。